継続中のペンギンアップデート3.0 11月末日および昨日今日で順位の大変動が観測される
Google検索エンジンのアルゴリズムアップデートのうち、WEBサイトに対して不正に張られたリンクを検出し、サイトの順位付けに影響を及ぼすとされるペンギンアップデート。そのメジャーなアップデートがペンギンアップデート3.0として10月に登場し、それまでのアップデートよりも順位変動が少ないことが話題になっていた。
ペンギンアップデート3.0 & パイレーツアップデート2がロールアウト - 非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究
順位変動が少なかったことに対するウェブマスター達の悲喜こもごもの反応に対して、Googleはペンギンアップデート3.0がなおも継続中であると捨て台詞のように吐いていたのだが、それを証明するようにここのところ順位が大変動中のようである。具体的には、日本時間で11月29日、30日、12月1日あたり、そして昨日今日の12月2日、3日にかけてである。やるなら最初から一遍にやればいいのに、というツッコミを入れたいところであるけれど。
運営中はてなブログが初めて引っかかった?模様
これまで、Googleのアルゴリズムアップデートについては対岸の火事のように考えていた。できるだけクリーンなWEBサイト制作を行っているので、引っかかるわけがないはずである。
ところがどうも、昨日から今日にかけて運営するはてなブログのサイトがアクセスを大きく落としている。このタイミングで、ペンギンアップデートに引っかかってしまったのではないかという疑いが出てきた。
今回引っかかった理由について、もう少し分析が必要であると思っているけれど、そもそも土台であるはてなブログ自体が、不正リンク未遂のような相互リンクシステムを持っているので(はてなスターや、お題、はてなグループ、はてなキーワードのような仕組み)、いつか挙げられるのではないかとびくびくしながら運営していた。年貢の納め時というか、移転も含めた新たな対策を講じなければいけないかもしれない。
他のはてなブログユーザでペナルティを受けたという話もちょくちょく見かけるけれど…はてなブログ自体の問題なのかは、そもそもはてなブログユーザ自体の母数が多いのでなんとも判断しかねる。
ペンギンアップデート3.0 & パイレーツアップデート2がロールアウト
2ヶ月ほど前にGoogleの日本語検索結果が変動を起こし、すわペンギンアップデート3.0ではないかと騒がれたことも記憶に新しい。騒ぎとなったのは、日本語検索結果の順位変動が無視できないほど大きく観測されたためであるが、今回の正式なペンギンアップデートでは、Googleがそれを実行したと認めるまで、ほとんどの人間が気付かない(ないし、別の小規模アップデートと誤認する)ようなわずかな影響に留まったようだ。
メジャーらしくないペンギンアップデート
ペンギンアップデートというのは、検索結果から不正リンクなどを用いて順位を上げようとするスパムをはじくためのアルゴリズムアップデートで、パンダアップデートと呼ばれる低品質なコピーコンテンツなどをはじくアップデートとともに、Googleのアルゴリズムアップデートの看板的存在だ。小数点以下のマイナーアップデートとメジャーアップデートがあり、今回は事前にGoogleがアナウンスしていたように3.0、つまりメジャーアップデートにあたる。
ペンギンないしパンダが実行されると、不正を行っているサイトの順位が落ちるということで、真面目に良質なコンテンツを提供しているサイトの順位は相対的に上がる。ということで、これらのアルゴリズムアップデートが実行されることで順位が大きく変動することを楽しみにしているウェブマスターも多いだろう。溜飲も下がるしね。
蓋を開けてみると、ペンギンアップデート3.0が検索順位に大変動を起こすことはなかった。ペンギンアップデートに引っかかるような露骨な順位操作のやり口が下火になったからだろうか。それは過去のアップデートが引き起こした変動が薬となって、ブラックハットSEOが適切に粛正されたと見ることも出来るし、また不正の手口がGoogleの用いる網に引っかからないものに移行したと見ることも出来る。
著作権侵害事例数を順位評価に結びつけるパイレーツアップデート
ペンギンアップデート3.0と同時に、2012年に初めて導入された、著作権侵害事例の多いサイトの評価を下げるアルゴリズム、パイレーツアップデートについても新アルゴリズムを導入していくようである。パイレーツアップデートという名前はGoogleの用いる正式名称ではなく、SEO業界がそれを名付けて呼んでいるものであり、ピジョンだのペイデイローンだのと同じく、頭文字Pにこだわりがあるようである。
デジタルミレニアム著作権法に基づいた著作権侵害発生の報告は、Googleが専用のフォームを用意しているので、そちらから行う。これが受理されると、Googleに著作権を侵害する当該コンテンツが引っかからなくなるという仕組みである。コンテンツ自体の存在がどうにかなるわけではないので、著作権侵害自体を停止させるためにはGoogleではなく、そのコンテンツの存在するサービス親元に別個に申し立てを行わなければならない。
したがって、著作権者が著作権侵害を停止させようとしたときに、必ずしもGoogleへの著作権侵害報告を通過するわけでもない。著作権侵害サイトの網羅性はないわけだが、その上であくまで、GoogleはGoogleの持っているブラックリストを参照して順位に反映させるという話だ。
そうした仕組みが判っているならば、著作権者は関係サービスに著作権侵害の停止を訴えるとともに、Googleにも著作権の侵害を報告することで、侵害者のサイトに対するGoogleの評価を落とし、SEO上の不利益を与えることもできるだろう。回りくどい形の報復ではあるけれど、著作権侵害が常習的になっているサイトやサービスには効果があるのではないかな。
iOS8のリリースにより、BingやDuckDuckGo関連のキーワード流入が増加
18日未明にiOS8が正式リリースとなり、早速人柱的に飛びついてみたという人々が結構存在するようだ。当ブログにも、今回Spotlightデフォルト検索エンジンとなったMicrosoftのBing、またオプション検索エンジンとして採用されたDuckDuckGoなどのワードで飛んでくる人が多く見られる。iOS8で導入されたこいつらは一体何者だろうかと大勢の人が首を傾げているのかもしれない。以下の記事が参考になれば幸いである。
iOS8のSpotlightデフォルト検索エンジンがBingに。日本でもBing SEOを考慮する時期か - 非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究
Safari検索エンジンの選択肢にDuckDuckGoが追加。これからのシェア拡大に期待! - 非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究
iOS8を契機としてBingの巻き返しが始まる?
iOS8、蓋を開けてみるとほとんどの検索がSpotlightで済むように変更されている。ウェブブラウザを立ち上げて、検索窓に検索語句を入れて…というかたちで調べ物をするスタイルは廃れていくかもしれない。するとデフォルト検索エンジンのBingがぐっと有利なポジションになる。上でも書いたけれど、iOS端末用のSEOとして、Bingで高順位になれるような対策を立てなければいけない時期なのかもしれない。
DuckDuckGoは日本語検索の精度が問題か
一方、ユーザが主体的に選択することでデフォルトの検索エンジンとなるDuckDuckGo。こちらは現状Googleの牙城を脅かすような存在にはなれないのではないかと、数々のキーワードで検索を行った結果感じる。検索の使い勝手について言えば、GoogleやBingが地道に行ってきた検索結果改善の部分がまだ足りていないのであろうと思われる。
たとえば、検索ワードに対して候補が複数考えられる場合。『A』という検索キーワードに対して、映画タイトルが『A』であるもの、ミュージシャンでグループ名が『A』であるもの、一般名詞としての『A』など候補が複数あるときに、GoogleやBingであれば1ページ目に特定の『A』の結果ばかり集まって、それ以外の『A』を検索しているユーザにとって質の低い結果を返さないように多少ばらつかせている。一方DuckDuckGoの場合、特定の『A』ばかり上位に集まってしまう傾向が見られた。これはask.comやwikipedia、各種検索エンジンの結果を総合して順位をはじき出すというDuckDuckGoのアルゴリズム上における問題であろう。1ページ目には各ソースにおけるトップヒットの羅列に近い状態ができてしまうのかもしれない。
また、日本語のキーワードで検索したときに、3ページ目4ページ目くらいから検索キーワードと全く関係のない商品リンクなどが入り込むことがあった。黎明期の検索エンジンを使っている感覚がよみがえってくる。
今後、こういったユーザビリティの問題を改善し、プライバシーを軽視するGoogleへのカウンターアクトとして以上の存在になれるのか、果たしてそういったモチベーションがDuckDuckGo社にあるのかは不明である。今のところ、大きく肩入れはしないかな。
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Twitterアナリティクスの一般提供開始 簡易的なインタレストカテゴリの分析が可能
Twitterには以前からTwitterアナリティクスという仕組みが導入されており、自身のTwitterアカウントについて、ツイートごとの閲覧回数、リツイートやクリックなどアクションに繋がった数と割合(エンゲージメント数・エンゲージメント率)、フォロワーの興味分野などが分析できるようになっていた。ただし、アナリティクスの利用は広告主や認証済アカウント等に限定されており、一般ユーザにとってその存在はあまり意識する必要の無いものであった。
アナリティクスの一般提供開始
先日のアップデートで、このアナリティクスを特に設定する必要無く一般ユーザが利用できるようになった。歯車アイコンの"アナリティクス"項目から入ると、自身のツイート一覧と、それに対する反応の数字が表示される。
それまでツイートが誰かしらの目に触れているかどうか知るには、リツイートや返信などのツイート表示に添えられるエンゲージメントで計るしかなかったわけだが、アナリティクス画面で単純な閲覧数が表示されるようになったことで、つぶやきが誰にも見られていないのではないかという、フォロワーが少ないユーザの心配も解消されるだろう。誰にも見られていないという事態は、Twitterの場合そうそう存在するものではない。
インタレストカテゴリ分析に有用
先にも書いたが、このTwitterアナリティクスではフォロワーの興味分野を推定することが出来る。フォロワーが他にフォローしているアカウントや、つぶやきをもとにした推定と思われるので、その分析の確度は高いだろう。
同様の働きをするものとして、Googleアナリティクスのインタレストカテゴリ分析というものがあるが、こちらは導入の敷居が少し高く、またノイズも多くなりがちである。自身のサイトの閲覧者傾向を分析し、コンヴァージョン率を高くするためには、アナリティクスのみで傾向を掴もうとするよりも、そのサイトのTwitterアカウントを作成しフォロワーの興味分野を参考にするという方法も併用した方が良いかもしれない。たとえばサイトで話題にしているメインのジャンル以外の記事/商品を開拓していこうという場合などに効力を発揮してくれるだろう。GoogleアナリティクスとTwitterアナリティクスは相補的だ。
ペンギンアップデート3.0が来襲!? いや、どうやら勘違い、とも。
8月22日から8月23日にかけて、Googleの検索順位に大変動があったようだ。まれに見る大変動であったため、ペンギンアップデートの3.0がついにロールアウトしたのではないかと捉えられ、WEBマスターの間でも悲喜こもごもの反応が起こっていたようである。
ただ、今回の変動はペンギンアップデートと捉えるには少し微妙であった。"penguin update 3.0"といったようなクエリで検索してみると、ヒットするのは日本語のページばかり。他言語圏のSEOブログなどの反応は見つからない。これがもし本当にペンギンアップデート3.0なのだったとしたら、世界中が順位変動の話題でもちきりとなっていてもおかしくないはずである。
また、一旦大変動した順位がまた戻ってきているという報告もある。順位が大幅に下落したページが再び検索結果に表示されるようになったのを見て、データベースの段階的な刷新が影響しているのだと予測する向きもあるようだが、過去に類似の現象が起こった事があるわけでもないので説得力に欠ける。
そして、肝心のGoogleのアナウンスが無い。したがって、ペンギンアップデートではなかっただろうという見方で大体落ち着いてきているようだ。
順位の大変動はGoogleのミス?それとも
ペンギンでないとしたら、一体今回の現象はどういうことなのだろう?単純にGoogleのミスということで良いのだろうか?
日本語の検索結果のみに適用されたアップデートということで、もしかしたら現在英語の検索結果のみに適用されているピジョンアップデートのような、検索言語ごとに適用されるアップデートの可能性も考えられるのかもしれない。
もし単純なミスということであったとしても、いずれは適用されるアップデートのフライング実装であったかもしれない。そう考えると、一時的にでも発生した順位変動の結果をノイズとして切り捨ててしまう事も出来ないのである。
Googleから今回の現象についての公式アナウンスが無かった場合、日本のSEOアナリストが今回の現象をうまく分析して、必要とあれば新アルゴリズムの名付け親になれるかどうか、見物である。
Googleのピジョンアップデート ローカル検索結果の変動が大幅に
パンダアップデートやペンギンアップデート、ペイデイローンアルゴリズムと、Googleのアルゴリズムアップデートの頭文字には、Pが使われ易い。もっとも、ペイデイローンアルゴリズムと今回導入されたピジョンアップデートについては、命名者がGoogleというわけではない。ともあれ、その概要を見てみよう。
ピジョンアップデートとは
ピジョン(鳩)のアップデートとは、どういうことなのだろう。パンダやペンギンというチョイスは、検索結果の白と黒をはっきりさせると言う意味合いも含まれていると予想されていたが、ピジョンの含意とは、名付け親のSearch Engine Landによれば鳩の帰巣本能にかけたものらしく、「地名 + サービス」のような検索クエリでの検索(ローカル検索)や、Google Maps上での検索などで(Googleが思うところの)より適した結果を返すようになったらしい。
仕組みとしては、ローカル検索やGoogle Maps上での検索にも、ナレッジグラフやスペル補正など通常のウェブ検索と同じアルゴリズムを導入したということ、それから距離と場所をふまえた結果表示をより改善したということらしい。
その結果、当然ながらローカル検索を利用したスパムが、結果として表示されにくくなるだろう。ローカル検索クエリを使ったSEOテクニックというのは普遍的だが、その方法が塞がれることにより、ますますSEO業者が窮地に追い込まれる…はずである。
とりあえずは米国先行導入ということ
推測調で影響について語っているのは、今回のピジョンアップデートが米国の英語検索に対してのみ導入されたもので、今後日本語検索にも導入されるのかどうかはまだ未知数であるからである。
WEBマーケター的立場を抜きにして、Googleの1ユーザとして希望を述べるなら、地図上検索の改善だけでも早期に導入して、見当違いの結果を返すことをなくしてほしいと思っていたり(笑)。
サイトを移転した際に、それまでリンクを貼ってくれていたページにどのような依頼をしたら良いのだろう
WEBサイトの移転というものは、そうしょっちゅう行ってはならないものである。リニューアルサイトとして現在のサイトとは全く別のコンテンツで、新しいドメインでサイトを開設するというケースだけではなく、ドメインをより分かり易いものに変更して、現在と全く同じコンテンツのサイトを開設するというケースであってでもである。
サイトの移転は検索エンジンからの評価を捨て去る行為である
ドメインがどのように評価されるか。たとえば昨日取得したばかりのドメインを、検索エンジンはいきなり競争率の高いワードの検索結果トップにもってきたりはしない。サイトが検索エンジンによって評価され、一定の検索順位を得る事が出来るようになるためには、少なくとも数ヶ月の時間を要する。そして、サイト運営期間が数年に及ぶドメインというのは、オールドドメインとして評価を得る。つまり、価値が高いドメインの最低条件として運営期間という基準があり、ドメインを変更してのサイト移転というのはそうした評価を捨てる行為にあたるのだ。
ドメインの評価基準としては、もう一つ、被リンクの数がある。新ドメインにサイトを移転すると、当然古いドメインに向けられたリンクがもたらす評価というものは引き継がれない。そこで、サイトの移転を行ったら、古いサイトのコンテンツを消去したり、あるいは前のサイトを一定期間残しておくのなら301リダイレクトをしたり、WEBマスターツールでサイトの移転を伝えたりなどの基本的な作業の他に、リンクを貼ってくれているページの管理者にコンタクトをとって、新ドメインへと貼り直してくれるよう頼むという作業も必要になる。
リンクの貼り直しで評価がそのまま受け継がれるわけではない
ただ、そのようにあらゆる必要な作業を行ってページを移転したとしても、以前のサイトと同じ評価が新サイトに引き継がれるわけではない、というのはサイト移転をした事のある人なら経験的に知っていると思う。評価が引き継がれない原因について、オールドドメインを評価する基準と同じく、ドメイン自体の運営実績によって差が出てしまっているのかと考えていたのだが、どうもそうではないらしい。
リンクが修正されるとGoogleはそのリンクを以前ほど信頼しなくなる | 海外SEO情報ブログ
リンクを貼ってくれていたサイトの運営者に頼んで、旧ドメインへのリンクを新ドメインに貼り変えてもらったとする。するとそのリンクは変更されたリンクとみなされ、変更前のリンク以下の効力しか持たない。
つまり、ドメインを移転した際には、サイト運営者に既存リンクを貼り変えてもらうのではなく、新たに言及してもらうようにしないと貼られたリンクの価値が低いままになってしまうということだ。
サイトの運営者が知人というのならともかく、気まぐれでちらっと言及されリンクを貰ったケースなどで新たなリンクを頼むというのは、随分と厚かましい行為に感じられてしまう。でも、そういうケースでリンクの貼り直しを頼まないと、2度目3度目の気まぐれをおこしてリンクを貼ってくれる可能性というのはほとんど考えられないだろう。困った。
つまり、結論から言うとサイトは移転するなということである。ドメイン名なども、変更の必要が後から出てこないよう、最初に熟孝して決めることが肝心だ。