非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究

ブログやWEBサイトのアクセス数を上げる方法、広告クリックやお問い合わせ件数を増やすコンバージョン率アップの手段を考えましょう。SEO以外で!

SEO業者に何回香典を払わなければならないんだ?

Googleのスパムサイト対策チームのリーダーである、マット・カッツ(Matt Cutts)という人物がおり、この人物はGoogleの検索結果表示アルゴリズムについて、変更や今後の方針、利用者からの質問等についてよくYoutube動画を用いたアナウンスメントを行っている。

そして5月5日に公開された動画での彼の発言が、そこそこ話題となっている。これまでのバックリンク数からオーサーランクへとアルゴリズムを変更するため、SEO業者は死んでしまうだろう、と。

まあ。それじゃ香典を用意しなきゃ

SEO業者は死んでしまうだろうという部分は、netgeekというサイトのこの記事がソースとなって伝えられている。

【速報】Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!? | 面白ニュース!netgeek

各所でツッコミが入れられている通り、この記事の著者は誤解なのか曲解なのか、マット・カッツの発言の意図を取り違えている。以下ツッコミを入れていると見られるサイトなど。

被リンクは死ぬのか?マット・カッツの話を和訳してみた | notnil creation weblog

被リンクから"オーサーランク"へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる ++ SEO HACKS公式ブログ

しかし、普段SEOやWEBマーケティングについてあまり話題にしないWEBサイト・ブログなどが、SEO業者は死ぬだろうという結論にこぞって飛びついている印象がある。当然この誤訳が無ければ、このニュースが拡散することも無かっただろう。しかしながら、SEO業者は死ぬであろうという結論、このマット・カッツが何か発言するたびによく見るのである。つまり、今回もまた恒例の死亡宣告詐欺といわけだ。

何故SEO業者死亡宣告が頻発するのか

SEO業者死亡宣告が何度も行われる理由だが、その内一つの原因はマット・カッツ側にあるというか、この人物の語り口によるものである。この人物が表に出てアルゴリズム変更のアナウンスメントを行うことの意義の一つが、不正なSEOに対して対策をとっていますよ、だから不正なSEOをする(あるいは業者に依頼する)と損ですよ、という啓蒙なのだ。したがって、未着手のアルゴリズム変更や、影響が出るのに数年を要するような変更についても語られ易い

実際スパムサイトを検索結果から追い出す努力として大幅な効果があったペンギンアップデート・パンダアップデートについても、そうした試みがほのめかされてから実際に効果をもち始めるまで数年を要しているし、それも数段階にわけて施行してやっとという感じである(そして本国で影響が出てから、ようやっと日本にも影響が出始めるといった場合が多い)。よしんば今回のニュースが誤報のとおり大幅なアルゴリズム変更の話であったのだとしても、日本のSEO業界に影響が出るのは早くて数年後だ。SEO業者は「うわーやられたー(なんだいつものマット・カッツか)」と言って余裕をかましていても大丈夫だろう。

もう一つの原因は、ニュースの受け手側のもの。WEBサイトに手間をかけていても、全く鳴かず飛ばずの状況であるサイト管理者は、現在の自分のサイトの状況がSEO業者など不正を用いたライバルに対して敗北したのだと信じたい。そこでSEO業者の死亡を望み、またSEO業者が死亡した後自分のサイトの順位が労せずして上昇する、そんな夢を見たいのだ。ということあって、今回のようなニュースには受け手側の需要がある。嬉々として自分のブログやSNSなどで紹介したがるのだ。

そもそもSEO業者はマーケティング寄りに業務内容を変えているよ

SEO業者が即死することは無いにしろ、Googleの最終的な目標が業者を追い出すことであることは間違いない。だからSEO業者は死に体だ、という意見もあるかもしれない。

けれども、そんなことはとっくに見越されていて、これまでSEO業者であったところも、SNSなどを使ったマーケティング中心に業務転換をしている。クローズドなSNSでの不正マーケティングを行っても、GoogleSEOのペナルティにはならないので(Googleがあえてそちらに不正マーケティングを追い出したともとれる)、やりたい放題ができる。

 

というわけで、今回のニュースの感想は「またか」。慣れてくると、こういった論調の記事のソースがマット・カッツアナウンスメントの時点で話半分で聞くようになるだろう。