Safari検索エンジンの選択肢にDuckDuckGoが追加。これからのシェア拡大に期待!
iOS8とOSX Yosemiteの発表されたWWDC2014。合わせて色々なものが発表されたけれど、SEO業界的にはBingがiOSとOSXのSpotlight検索のデフォルトになり、やがてはSafariのデフォルトにもなりそうな所が気になる、といったようなことを前回書いていた。
しかし、うっかり見落としていたのだが、SEO業界的にもう一つ面白いニュースがあったようだ。それは、OSX Yosemite以降のSafariの検索エンジン選択肢として、これまでのGoogle、Yahoo!、Bingに加え、新たにDuckDuckGoという新しめの検索エンジンが加わったということだ。
DuckDuckGoとは
DuckDuckGoというのは、2010年に米国ペンシルバニア州で設立された DuckDuckGo社の検索エンジン。特徴としては、自前のクローラも持つものの、検索結果を50ほどのソース(Yahoo!、Bing、Yandexなどの検索エンジンからWikipediaまで)から寄せ集めて表示するというところ。これはなんということもなく、Perlで書かれているDuckDuckGoのプログラムが、他の検索エンジンや他の情報ソースなどのAPIを使って検索結果をかき集めているということらしい。ちなみにそのプログラムの一部はGithubで公開されていたりする。
DuckDuckGoのアピールポイント
後発の検索エンジンらしく、DuckDuckGoは大胆なアピールポイントを持っている。それは上に挙げたスクリーンショットにも書いてある通り、ユーザの個人情報を蓄積し特定化することをしないということ。Googleなどで検索すると、ユーザによって検索結果がバラバラになっているということに気付くだろうが、これはユーザの以前行った検索や、ユーザの住んでいる地域などを参考にした結果を返すように作られているからである。ユーザにとっては求める情報を探し当て易くなるというメリットがあり、Google側は広告主に対して詳細な広告ターゲティングができることを売りにできるという仕組みである。
ただ、これはユーザの情報をGoogleが蓄積し保持するということであり、その情報を元にしてGoogleは自社の利益誘導を行う可能性があるし、またGoogleほどの企業となってくると、集めた情報を政府機関に提供していないとも限らない。丁度エドワード・スノーデンの暴露により政府機関(と他国から見たアメリカ)への不信が高まったこともあり、個人情報を集めない、全てのユーザに対して同じ結果を返すというDuckDuckGoが検索エンジンの選択肢として急浮上したという形だ。Safariへの採用もそういった潮流を捉えてのものだろう。
DuckDuckGoにSEOは必要?
それでは、これからのSEOを考える際に、Bingと同じようにDuckDuckGoにもSEOというのは必要だろうか?
答えとしては、仕組み上Yahoo!やBingといった他の検索エンジンへの対応がそのままDuckDuckGoのSEOとなるだろうから、今後DuckDuckGoにのみ存在する明らかなペナルティ要因など明らかにならない限りは、あまり考慮しなくてよいのではないかと思われる(ちなみに、他の検索エンジンソースにGoogleは入っていない)。
ただ、検索表示画面を見ると、現状文字情報とサイトのfaviconだけが表示されているようなので、faviconだけは付けておいた方がクリック率は上がるかもしれない。
ちなみに、DuckDuckGoの順位付けについてのヘルプで、"高順位を得るためにはWikipediaのようなクオリティの高いサイトからのリンクを貰うことである"と書いてある。この記述を鵜呑みにするならば、nofollowリンクでもランキング要因にはなりそうである。
DuckDuckGoは今後流行る?
もちろん、Safariの検索エンジンに採用されたからといって、使用者が出なければ全く無視して良い選択肢ということになるだろう。ただ、現状運営しているサイトで既にDuckDuckGoからの流入が出始めている(みんな新しもの好きだ!)。全てユーザ環境がOSXのものからの流入なので、今回のApple社による採用が、ユーザ獲得において一定の効果を与えたということは確かなようである。まあ、Googleのエリック・シュミットは、「"Don't be evil."は愚かなルールであった」と発言しており、もうこのスローガンは要らないみたいなので、本歌取りをしてしまっても良いのではないかな。
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