非SEOアクセス・コンバージョン率アップ研究

ブログやWEBサイトのアクセス数を上げる方法、広告クリックやお問い合わせ件数を増やすコンバージョン率アップの手段を考えましょう。SEO以外で!

SEOの集客にしろそうでないにしろ、サイトは軽く作った方がよい

WEBサイトは軽くあった方が良い、というのは何の綺麗事でも理想論でもなく、現実的に重いサイトというのは、サイト運営者側の運営意図に対して機会損失となることが多い。

コンバージョンにおける損失

まず、重いサイトというものは訪問者がコンバージョンに至る可能性を下げるだろう。考えてもみてほしい。画像を沢山使ってアニメーションコンテンツがひっきりなしに動き、一動作一動作についてスクリプトが発火する、そのようなサイトに訪れて、利用者が最も軽快でストレスの無いページ遷移を得ることの出来る部分はどこだろうか?それはブラウザの"戻る"ボタンである。利用者が感じる重いコンテンツへのフラストレーションは、サイトを離脱することで解消される。ブラウザの戻るボタンをクリックされると利益が上がる収益構造でない限り、すぐに対策を行わせるべきだ。

SEOにおけるディスアドバンテージ

また、重いコンテンツのあるWEBサイトというものは、検索エンジンがサイトのコンテンツを拾って適切な検索クエリに結びつけるようにするという一連の流れを阻害することになる。検索エンジンのロボットがサイトを訪れて行う活動がタイムアウトしてしまうと、中途半端な結果を持ち帰らせてしまうことになる。つまり、ロングテールSEOのためにコンテンツを充実させても、検索エンジンは知らぬ存ぜずである。WEBサイトの順位は低いままであり続けるだろう。

重いサイトが何故出来るか

そうした明確な欠点があるのに、何故重いサイトが世に生まれ続けるのだろうか。それはWEBサイトの作成者側の問題よりも、納品後の管理者のリテラシーに問題の根源がある場合が多い。

たとえば、最近発見した実例であるが、自治体の観光協会ホームページとして既存のパッケージ製品が使われていた。観光協会側の人間がWEBサイトの背景や画像などカスタマイズをできるようになっている商品のようであったが、サイトの背景として入れられていた画像のサイズが4.5MB、その他の画像も、iPhoneのカメラで撮影したJPEGをそのまま使用といったような画像サイズのものが使われていた。

おそらく画像の投稿システムの方で、アップロード画像サイズを制限するか動的にサムネイルを生成するかなどしないと、次期iPhoneが超高画質カメラを採用したとしたら、きっとその観光協会サイトの背景も超高画質になるだろう(笑)。その製品はレスポンシブデザインを謳ったものであったが、スマートフォンでチェックしてみると要素のCSSを変更するタイプのものであったため、高画質の背景がスマートフォンの回線に引っかかり、ページが一向に表示されていなかった。

軽いサイトの重要性はスマホを引き合いにして訴える

WEB制作者の立場としては、リテラシーの高くない顧客に対して軽いサイトの重要性を訴えるのは難儀である。とにかく見た目を豪華にする方向で提案するのが楽であるし、軽快なフラットデザインのサイトというのはともすると安っぽく見えて訴求力が無い。

ただ、以前より状況が好転したと言えるのは、提案の時点でスマホタブレットで実際にサイトを閲覧してみて、重いサイトが低速回線で致命的になるということを実演できるということだ。

勿論、軽快な動作を売りに製品を売り上げたら、その後「売り文句と違うではないか」と苦情が出ないよう、ユーザが重いコンテンツを追加することを妨げないといけない。何のインフォームも無しに使わせたままにしておくと、その後自社製品のイメージは落ちる一方になるだろう。

Googleの"小規模サイトにやさしい"パンダアップデート4.0がロールアウト

おそらくWEBサイト運営経験が長い人ほど、Googleなどの検索エンジンの順位を気にしなくなっているだろう。Googleは検索順位算出アルゴリズムを頻繁に変更しており、それに一喜一憂しているとモチベーションがもたないからだ。

そして、Googleパンダアップデートというアルゴリズムアップデートでは、多くのブラックでないWEBサイトの運営者が泣きを見た。スパムサイトの判定アルゴリズムをかなり厳しめに作ったため、無実のサイトの順位も下落し、最悪の場合検索エンジンにはほとんど登場しなくなってしまったのだ。

ということで、現在では検索順位を上げる努力をしてアクセス増を見込むより、SNSでのマーケティングを活発に行うという集客努力の方が確実であると認知されてきているはずだ。

Googleの順位を気にしなくなり、Googleのアナウンスメントにも誰も注目しない。サイト運営者の、Google離れというわけだ。

パンダアップデート4.0

Googleもそうした状況を面白く思っていないだろう。アナウンスメントに誰も興味を持ってくれなくなったら、Googleがいくら意向を表明しても、世界中のサイトがそれに沿ってくれることがなくなる。そしてたどり着くのは、以前と同じような、誰も彼もバラバラな文法で作成するサイトが乱立する世界。Googleがどれほどアルゴリズムを研ぎすましても、検索エンジンの提供する結果は見当違いのものばかりになってしまうだろう。Googleの情報検索手段としての競争力は低下する(たとえ検索エンジンで一人勝ち状態であろうと)。

そこで、程よくアメも与えなければならない。今回のパンダアップデートも、小規模サイトや事業者にポジティブな影響が出るとされている。

 

ASCII.jp:米Google、パンダアップデート 4.0 を発表

 

具体的にどうアルゴリズムを変更するのかは判らないが、たとえばこれまで小規模サイト管理者が知識不足などで上手くnofollow,noindex,canonicalを使えず、重複コンテンツ扱いされていた部分について、基準を緩めるか、あるいはWordPressサイトで起こりがちな記事ページとアーカイブページの重複といったケースについて判別して恩赦を与えるなどするようになったのではないかと予想する。

あるいは、全く別の賢い方法を用いているのかもしれない。あるいは…ただ蛇口を緩めたり閉めたりしているだけかもしれない。

実態はどうであれ、Googleという企業のやることを、企業活動という視点で眺めてみるのも発見が多いのではなかろうか。

SEO業者に何回香典を払わなければならないんだ?

Googleのスパムサイト対策チームのリーダーである、マット・カッツ(Matt Cutts)という人物がおり、この人物はGoogleの検索結果表示アルゴリズムについて、変更や今後の方針、利用者からの質問等についてよくYoutube動画を用いたアナウンスメントを行っている。

そして5月5日に公開された動画での彼の発言が、そこそこ話題となっている。これまでのバックリンク数からオーサーランクへとアルゴリズムを変更するため、SEO業者は死んでしまうだろう、と。

まあ。それじゃ香典を用意しなきゃ

SEO業者は死んでしまうだろうという部分は、netgeekというサイトのこの記事がソースとなって伝えられている。

【速報】Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!? | 面白ニュース!netgeek

各所でツッコミが入れられている通り、この記事の著者は誤解なのか曲解なのか、マット・カッツの発言の意図を取り違えている。以下ツッコミを入れていると見られるサイトなど。

被リンクは死ぬのか?マット・カッツの話を和訳してみた | notnil creation weblog

被リンクから"オーサーランク"へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる ++ SEO HACKS公式ブログ

しかし、普段SEOやWEBマーケティングについてあまり話題にしないWEBサイト・ブログなどが、SEO業者は死ぬだろうという結論にこぞって飛びついている印象がある。当然この誤訳が無ければ、このニュースが拡散することも無かっただろう。しかしながら、SEO業者は死ぬであろうという結論、このマット・カッツが何か発言するたびによく見るのである。つまり、今回もまた恒例の死亡宣告詐欺といわけだ。

何故SEO業者死亡宣告が頻発するのか

SEO業者死亡宣告が何度も行われる理由だが、その内一つの原因はマット・カッツ側にあるというか、この人物の語り口によるものである。この人物が表に出てアルゴリズム変更のアナウンスメントを行うことの意義の一つが、不正なSEOに対して対策をとっていますよ、だから不正なSEOをする(あるいは業者に依頼する)と損ですよ、という啓蒙なのだ。したがって、未着手のアルゴリズム変更や、影響が出るのに数年を要するような変更についても語られ易い

実際スパムサイトを検索結果から追い出す努力として大幅な効果があったペンギンアップデート・パンダアップデートについても、そうした試みがほのめかされてから実際に効果をもち始めるまで数年を要しているし、それも数段階にわけて施行してやっとという感じである(そして本国で影響が出てから、ようやっと日本にも影響が出始めるといった場合が多い)。よしんば今回のニュースが誤報のとおり大幅なアルゴリズム変更の話であったのだとしても、日本のSEO業界に影響が出るのは早くて数年後だ。SEO業者は「うわーやられたー(なんだいつものマット・カッツか)」と言って余裕をかましていても大丈夫だろう。

もう一つの原因は、ニュースの受け手側のもの。WEBサイトに手間をかけていても、全く鳴かず飛ばずの状況であるサイト管理者は、現在の自分のサイトの状況がSEO業者など不正を用いたライバルに対して敗北したのだと信じたい。そこでSEO業者の死亡を望み、またSEO業者が死亡した後自分のサイトの順位が労せずして上昇する、そんな夢を見たいのだ。ということあって、今回のようなニュースには受け手側の需要がある。嬉々として自分のブログやSNSなどで紹介したがるのだ。

そもそもSEO業者はマーケティング寄りに業務内容を変えているよ

SEO業者が即死することは無いにしろ、Googleの最終的な目標が業者を追い出すことであることは間違いない。だからSEO業者は死に体だ、という意見もあるかもしれない。

けれども、そんなことはとっくに見越されていて、これまでSEO業者であったところも、SNSなどを使ったマーケティング中心に業務転換をしている。クローズドなSNSでの不正マーケティングを行っても、GoogleSEOのペナルティにはならないので(Googleがあえてそちらに不正マーケティングを追い出したともとれる)、やりたい放題ができる。

 

というわけで、今回のニュースの感想は「またか」。慣れてくると、こういった論調の記事のソースがマット・カッツアナウンスメントの時点で話半分で聞くようになるだろう。

スクロール追尾型広告とGoogleアドセンス

近頃ほうぼうのサイトで見かける、スクロール追尾型広告。本文の内容が長くなり、スクロールがサイドバー要素の大きさを超えてしまった場合に、アフィリエイト商品の紹介リンクなど貼られた要素がスクロールにぴったりと付いて回る。例を挙げればきりがないが、たとえばはてなブログにおいては、はてなグループの個別ページなどがそうである。

実際ユーザの画面に常に大きめの広告を表示しておくと、ユーザがページを離脱するタイミングでクリックされる可能性がある。長めの本文を途中で切り上げる際や本文を一番下まで読み終わった際に、傍らに広告リンクが表示されているということは重要で、追尾型広告を設定する/しないでコンヴァージョン率に有意の差が出る

Googleアドセンスは追尾型広告禁止

ただし、アフィリエイトサービスによっては、この追尾型広告を規約で禁止しており、違反した場合に警告、以降対処しない場合には収益を凍結するなどの措置を行うところがある。具体的にはGoogleアドセンスであり、Googleの表現でフロート広告と呼ばれるスクロール追尾型広告は御法度だ。したがって、アフィリエイターはコンヴァージョン率の高いスクロール追尾型広告の枠に、他のアフィリエイトサービスの広告などを表示するようにしている。

プレミアムアカウントは例外

それでは、先程例として出したはてなグループの個別ページは違反例なのかというと、どうもアクセス数の多いサイトについてはプレミアムアカウントとして、スクロール追尾型広告を始めとした本来使用することの出来ない広告スタイルがゆるされるということのようだ。大手ブログサービスの、更新しない場合に表示される広告や、1ページに4つ以上表示されているアドセンスなどもこのプレミアムアカウントの特典であるようだ。

プレミアムアカウントを使用できるようになるためには、大手WEBサービスに匹敵するくらいのアクセス数が必要であるため、通常の個人ブログなどには縁がない。プレミアムアカウントの前段階として、毎週収益額が25ドルを超えるようであると、専属担当者が付きサイトの広告の改善についてなど連絡してくれるらしいのだが、まずはそこを目指すということからはじめよう。

Googleアドセンスのレスポンシブ広告背景が黄色く表示されるのを修正

今回は、3行以内で説明が完了しそうな小ネタです。ページコンテンツに要求されるクオリティ上、文章の引き延ばしは行いますが、結論CSSだけ知りたい人は最終段落へどうぞ。

Googleアドセンスのレスポンシブ広告ユニットは便利

Googleアドセンスを利用されている方は、広告ユニットをWEBサイトに貼り付ける前に、広告の種類とサイズを指定しないといけないことはご存知だと思います。標準で色々なサイズが用意されていますが、その中のレスポンシブ広告ユニット(ベータ)という広告を選ぶと、広告を配置する場所の大きさに従って、適切なサイズを選んでくれます。

たとえば、このブログをPCのそこそこ大きな画面でチェックしている方は、右肩部分にスポンサーサイトとしてレクタングル(大)サイズの広告が見えていることと思います。そして、ブラウザのウィンドウサイズを小さくしていくと、現在利用中のテーマ(レスポンシブルーというテーマです。作者さんに感謝)では、サイドバーが最下部に落ちて、スポンサーサイト部分の広告サイズも横長のものに変化します。これが固定サイズの広告ユニットだと、広告が見切れてしまったり、広告のせいでレスポンシブが上手く機能しなかったりと迷惑なことになるので、どのサイトにも大々的にレスポンシブ広告ユニットを採用したいところです。

レスポンシブ広告背景が黄色く塗られてしまう

ただ、現在この広告ユニットがベータ版であるからか、HTML5などを採用したサイトで背景が勝手に黄色く塗られてしまいます。広告の大きさと同じサイズだけ黄色く塗られれば問題は起きないのですが、広告サイズより広い範囲に黄色背景ができてしまい、結果広告ユニットのクリック率(コンヴァージョン率)が低くなってしまいます。

黄色い背景ができてしまった広告の例
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CSSによる対策をしよう

そこで、広告部分の背景をCSSを使って、透過するように設定します。はてなブログでしたらダッシュボードのサイドバー"デザイン"からデザイン設定を出し、"カスタマイズ"タブの"デザインCSS"に、以下の記述を追記します。

ins[style]{
	background-color:transparent;
}

これにより広告エリアの背景色がきちんと透過されるようになります。アフィリエイト収入を上げるために、とにかくコンヴァージョン率を改善したいと思っている方は是非設定して下さい。

Googleウェブマスターツールを導入しよう

前回紹介したGoogleアナリティクスの他に、WEB担当者が必ず導入したいGoogleのツールがもう一つある。それがGoogleウェブマスターツール(WEBマスターツールと書かれることも)。導入方法から見ていこう。

Googleウェブマスターツールの導入方法

Googleウェブマスターツールの導入にも、Googleアカウントログイン状態でのアクセスが必要となる。まずウェブマスターツールのホームページにアクセスし、サイトを追加というフィールドに導入したいサイトのURLを入力する。入力したサイトの所有権を確認する画面になるので、以下の4種類の方法の中から選んで確認を行う。

  1. htmlファイルのアップロード
  2. Googleアナリティクスアカウントを確認に使用
  3. WEBサイトへのメタタグの追加
  4. ドメイン名プロバイダを用いた確認

この内、最もあっさりと完了するのは2番のアナリティクスアカウントを使用する方法だが、前回解説した方法を用いてGoogleアナリティクスの導入が終わっている場合に限る。次に簡単なのが、1番と3番である。htmlファイルのアップロードというのは、FTPクライアントなどを使ってサイトの指定されたディレクトリにファイルをアップロードする方法だ。また、3番は前回のGoogleアナリティクスと同じように、閉じheadタグの直前にコードを書き込む方法。4番は面倒臭いので、あまり考慮しないでよいだろう。レンタルサーバの管理画面でDNS設定を追加できるならば、一応できるということになるが。

はてなブログに導入する場合は、2番かもしくは3番の方法が手っ取り早い。特に3番については前回のGoogleアナリティクスと同様簡単に追加できるフィールドが用意されているので、アナリティクスは導入しないでウェブマスターツールのみ導入する場合でも簡単である。

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Googleウェブマスターツールはどういうツールなのか

Googleアナリティクスについては、高度な分析機能をもったアクセス解析ツールということで、SEOの場合にも、それ以外のWEBマーケティングの場合にも役立つソフトであった。

Googleウェブマスターツールというのは、SEOに特化したツールである。Googleに自分のサイトがどのように表示されているかを確認・管理するソフトであり、このツールで分析した内容はGoogleに対するSEOで役に立つ。同様に、たとえばBingウェブマスターツールというものもあり、こちらはBingに最適化する際の役に立つというわけだ。

Google検索に表示される自分のサイトの問題点が分かる

Googleが検索結果にWEBサイトを表示するためには、検索ロボットによるクローリングを行うことになるが、何らかの理由でこれがうまく行われないと、Googleの検索結果に自分のサイトが出ない。そういったエラーがあった際に報告してくれる機能がある。また、クローリングをされているものの検索順位が著しく低い場合、Googleによってスパムサイトとみなされペナルティを与えられている可能性があるが、そうしたペナルティの存在についても教えてくれる。

Googleが把握している、サイトに発せられたリンクを一覧表示できる

自分のサイトがどこからリンクされているかを一覧で見ることができる。Googleアナリティクスでは、自分のサイトに向けられたリンクを実際に踏んでやってきた訪問者がいた場合にリンク元の確認ができるが、ウェブマスターツールでは貼られてから一度も踏まれていないリンクについても確認できる。

ただし…あまりこの部分の正確性、網羅性についてGoogleは熱心ではないようで、リンクを貼っても一覧に反映されないということが多い。この機能は参考程度に考えておこう。

サイトがどのようなキーワードで表示されたか分かる

この機能がSEOでは非常に重要になる。自分のサイトが検索結果で表示された回数と、実際に検索結果リンクがクリックされた回数、クリック率、平均表示順位などが分かるようになる。

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(何故このような極端なグラフになっているのかは…zenback導入からスパムサイトと見なされGoogleに表示されなくなった問題の報告エントリを見て下さい)

この機能により、どういうキーワードが狙い易く、集客し易いのかなどの情報が手に入る。また、Googleアナリティクスでは(not provided)となっていたログイン状態での検索キーワードも、Googleウェブマスターツールには現れる。したがって、アナリティクスの補完としても役立てることができるのである。

 

WEBサイトの集客にSEOを積極的に用いない場合でも、導入してみると面白いデータが取れるし、またGoogleのクローリングで起きている問題を解決する手がかりとなる。したがって、非SEOを標榜するサイトながら、ウェブマスターツールの導入は強くオススメしたいところだ。

はてなブログのアクセス解析ではなく、Googleアナリティクスを使おう

WEBサイトのアクセス・コンバージョン率アップを目指す場合、大切なプロセスであると言えるのが、サイトにどれくらいの訪問者があり、どういった流入経路が多く使われているかといったような分析です。

分析を行うためには相応に機能を持ったツールを使わなければなりませんが、はてなブログには標準で付いているアクセス解析ツールの他に、機能強化版(有料)のはてなカウンター、そしてGoogleが提供するGoogleアナリティクスを利用することの出来る仕組みが用意してあります。

3種類のツールが使えるようになっているのは、特段の設定を済ませずアクセス数だけ把握できれば良いというライトユーザー需要がある一方、もっと突っ込んだ分析をしたいという需要もあるからでしょう。特にGoogleアナリティクスというのは、WEBマーケティング担当者の仕事がその上に成り立っていると言ってよいほど必須のツールで、サイトを立ち上げたら迷うこと無くすぐに設定するものです。

何故それほどGoogleアナリティクスが重要なのか、どうしてはてなブログ標準のアクセス解析ではいけないのか、いくつかポイントを挙げて説明しましょう。

(実は当初はてなカウンターの存在を忘れていたもので…無料で使えるアクセス解析として、標準アクセス解析Googleアナリティクスの比較記事としてお読み下さい)

はてなブログアクセス解析はPV数のみカウント

はてなブログアクセス解析に現れる、"アクセス数"という数字。これはブログにやって来た訪問者の数を表していません。あくまで数字として表示されるのは、訪問者が見たページ数の合計である、PV数です。

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訪問者数とPV数のそれぞれの考え方については以前説明しましたが、どちらもWEBサイト運営上で参考となる数字です。PV数のみですと、1人の人が長居して50ページを閲覧した日と、50人の人が来てそれぞれ1ページだけ閲覧した日とのアクセス傾向の違いが分かりません。そして、アクセス傾向が分からないと、どのようにWEBサイトを改善していけば良いかといった方針が決められないのです。Googleアナリティクスの場合、PV数だけでなく、訪問者数をカウントして表示してくれます。また、リピーターについての重複カウントをしない、WEBサイトのユーザ数という表示をしてくれるので、たとえばこれまでと違うジャンルの話題を扱った時にどれほど新規訪問者が来てくれるかといった分析も可能になります。

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はてなブログのアクセス傾向はSSL検索の割合がわからない

はてなブログのアクセス傾向をチェックしていると、Yahoo!でキーワードを入れて検索してきた訪問者が多く、Googleからはあまり来ないという印象を受けるかもしれません。実は、アクセス傾向というところで表示されるキーワードには、Googleにログインしている状態で検索されるキーワードは表示されず、カウントもされていないのです。

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Yahoo!検索の割合51%に比べて、Google検索の割合が4%となっていますが、これはYahoo!の検索数とGoogleのログインしていない状態での検索数を比べて表示しているに過ぎません。

何故このようなことになっているかといいますと、Googleにログインした状態で行われる検索というのは、個人情報保護のため少なくとも暗号化がされており、キーワードが解析ソフトに対して公表されていない検索だからです。この問題はGoogleアナリティクスでも現れます。

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(not provided)と表示されている部分が、ユーザの検索キーワードが暗号化されているという状態を示しています。この例を見て分かるように、Google検索では暗号化されたキーワードというのが最も割合が多くなっています。

Googleアナリティクスでも分析が及ばないということで、はてなブログアクセス解析だけの短所ということにはならないように思えますが、少なくともGoogleアナリティクスの場合は暗号化された検索の数を表示してくれるので、自分のサイトがGoogle八分になっているのではないということが分かります。一方、はてなブログアクセス解析の表示だけ見ると、Googleからの訪問者数が少ないことに対して何か対策をとらなければならないように思えてしまうかもしれません。

(こちらは、有料版のはてなカウンターでは解決していると耳にしました)

Googleアナリティクスでは高度な分析が出来る

はてなブログアクセス解析の短所というわけではなく、Googleアナリティクスの長所を列挙していく形になりますが、高度な分析ができるために、WEBサイトの改善方針が立て易くなるという例をいくつか出します。

ユーザの地域・年齢・性別・環境などデータが出る

たとえば地域密着型サービスなどやっていますと、地域内からのアクセスと地域外からのアクセスで、コンバージョン率が有意に違うということになります。そこで、WEB サイトがちゃんと地域内からの訪問者を集めることができているのかチェックが必要です。Googleアナリティクスの場合、ユーザの地域をプロバイダからある程度割り出してくれますので、そういったことが容易に行えます。また、年齢や性別といった要素の推定も行ってくれます。これは参考程度ですが、商品が訴求する年齢や性別と著しく離れた訪問者ばかり集まっていると分かれば、対策に繋げることが出来ます。

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環境というのは、画面解像度からOSから色々判別してくれるのですが、最も注視したいのはPCとモバイルの割合。訪問者の多くがモバイル環境であった場合、たとえばPCに合わせたサイトの広告はクリックされにくくなります。その場合は、モバイルサイトを用意して対応するなどの対策が必要となってきます。

(地域・環境については、はてなカウンターではクリア済ですかね)

特定匿名ユーザのサイト内行動等が追える

少し前に出した例ですが、1人の訪問者が50ページを閲覧していた場合、どうしてそのような行動をとったのか、その特定の匿名者の行動・性質などを知りたくなるでしょう。こういった特定者の行動についてもGoogleアナリティクスで追うことが出来るのです。もしその特定者のデータを見た結果、自分と同じ地域で、しかもサイトに何度も足を運ぶリピーターであった場合は、もしかしたら知り合いの誰かが、アクセス数を増やそうと奔走してくれているのかもしれない…そんな予想をすることも可能です。

過去の特定期間を取り出し、アクセス状況を見ることが出来る

たとえば1週間限定の集客プロモーションをうって、その結果をデータで見たいという時に、標準のアクセス解析ですと期間を取り出して見ることが出来ません。こうしたデータの抽出も、Googleアナリティクスではできます。

(これもおそらく、はてなカウンターで実現しているでしょう)

WEBサイトのコンバージョンを設定して、達成率や経路を調べることができる

たとえば特定ページへのアクセスを目標と設定して、訪問者全体におけるその目標への到達率を算出したり、目標に到達した訪問者に絞ってデータをチェックすることが可能です。もし特定のサイトからのリンク経由で流入した訪問者が、極めて高い目標到達率を示すのであれば、新しく外部サイトからのリンクを貼る際にどういった形で行えば効率的にコンバージョンとなるかがわかりますね。このように、コンバージョンを基準にした解析が行えることが、Googleアナリティクスがただのアクセス解析にとどまらないところです。

Googleアナリティクスを導入しよう

数々の便利な機能をもつGoogleアナリティクスですが、導入の手順はそれ程難解ではありません。Googleのアカウントを持っているなら、Googleアナリティクスのページからアカウント作成を選び、申し込み→サイト情報を入力というように進み、トラッキングコードというコードが表示されたら、それをWEBサイトのhead閉じタグの直前に貼り付けるだけです。

head閉じタグの時点で、head部分を弄れないレンタルサーバの場合やhtmlが全く分からないユーザは躓いてしまいますが、はてなブログの場合にはそういったユーザでも容易に導入ができるようになっています。

管理画面左メニューから設定を選び、遷移したページの詳細設定タブを表示。スクロールしていくとアクセス解析の部分にGoogleアナリティクス埋め込みというフィールドがありますので、先程Googleアナリティクス上でトラッキングコードが表示されていた上にあったラッキングIDという英数字の組み合わせ(UA-xxxxxxxx-x)をフィールドに入れて変更を確定するだけです。

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以上で設定が完了となり、次回からはアナリティクス画面でログインを押すと、WEBサイト分析の画面に遷移します。

 

今回紹介した内容はGoogleアナリティクスの機能のほんの一端に過ぎません。組み合わせ次第でもっと複雑な分析もでき、サイトの改善に繋げることができます。はてなブログだけでなく、他のサービスで運営しているWEBサイトの場合にもあてはまりますが、Googleアナリティクスの導入によって標準で付いているアクセス解析の数字を信じて毎日一喜一憂している状態を脱出し、攻めのWEBサイト運営ができるようになります。アクセス・コンバージョン率アップの第一歩と言えますので、Googleアナリティクスを是非導入してみてください。

最近のバージョンアップに対応した参考書リンクです。