サイトを移転した際に、それまでリンクを貼ってくれていたページにどのような依頼をしたら良いのだろう
WEBサイトの移転というものは、そうしょっちゅう行ってはならないものである。リニューアルサイトとして現在のサイトとは全く別のコンテンツで、新しいドメインでサイトを開設するというケースだけではなく、ドメインをより分かり易いものに変更して、現在と全く同じコンテンツのサイトを開設するというケースであってでもである。
サイトの移転は検索エンジンからの評価を捨て去る行為である
ドメインがどのように評価されるか。たとえば昨日取得したばかりのドメインを、検索エンジンはいきなり競争率の高いワードの検索結果トップにもってきたりはしない。サイトが検索エンジンによって評価され、一定の検索順位を得る事が出来るようになるためには、少なくとも数ヶ月の時間を要する。そして、サイト運営期間が数年に及ぶドメインというのは、オールドドメインとして評価を得る。つまり、価値が高いドメインの最低条件として運営期間という基準があり、ドメインを変更してのサイト移転というのはそうした評価を捨てる行為にあたるのだ。
ドメインの評価基準としては、もう一つ、被リンクの数がある。新ドメインにサイトを移転すると、当然古いドメインに向けられたリンクがもたらす評価というものは引き継がれない。そこで、サイトの移転を行ったら、古いサイトのコンテンツを消去したり、あるいは前のサイトを一定期間残しておくのなら301リダイレクトをしたり、WEBマスターツールでサイトの移転を伝えたりなどの基本的な作業の他に、リンクを貼ってくれているページの管理者にコンタクトをとって、新ドメインへと貼り直してくれるよう頼むという作業も必要になる。
リンクの貼り直しで評価がそのまま受け継がれるわけではない
ただ、そのようにあらゆる必要な作業を行ってページを移転したとしても、以前のサイトと同じ評価が新サイトに引き継がれるわけではない、というのはサイト移転をした事のある人なら経験的に知っていると思う。評価が引き継がれない原因について、オールドドメインを評価する基準と同じく、ドメイン自体の運営実績によって差が出てしまっているのかと考えていたのだが、どうもそうではないらしい。
リンクが修正されるとGoogleはそのリンクを以前ほど信頼しなくなる | 海外SEO情報ブログ
リンクを貼ってくれていたサイトの運営者に頼んで、旧ドメインへのリンクを新ドメインに貼り変えてもらったとする。するとそのリンクは変更されたリンクとみなされ、変更前のリンク以下の効力しか持たない。
つまり、ドメインを移転した際には、サイト運営者に既存リンクを貼り変えてもらうのではなく、新たに言及してもらうようにしないと貼られたリンクの価値が低いままになってしまうということだ。
サイトの運営者が知人というのならともかく、気まぐれでちらっと言及されリンクを貰ったケースなどで新たなリンクを頼むというのは、随分と厚かましい行為に感じられてしまう。でも、そういうケースでリンクの貼り直しを頼まないと、2度目3度目の気まぐれをおこしてリンクを貼ってくれる可能性というのはほとんど考えられないだろう。困った。
つまり、結論から言うとサイトは移転するなということである。ドメイン名なども、変更の必要が後から出てこないよう、最初に熟孝して決めることが肝心だ。
rel="author"でGoogle+に登録した顔写真とフォロワー数表示 Googleが一転非表示にする
つい3日程前、rel="author"でGoogle+プロフィールページの写真が表示されます!というエントリを書いたのだけれど、ここにきてタイミング良くGoogleからアナウンスがあった。「検索結果の横に表示していた顔写真とフォロワー数表示、あれナシにするから」。なんとまあ唐突なこった。
Googleのアナウンスでは、廃止の理由はまずモバイル検索での体感を向上させたいということで、それに加えてデバイスが異なっていても検索結果画面のデザインを一致させておきたいので、PC版もモバイル版の変更に引きずられたということのようである。
方針転換の本当の理由は何だろう?
とまあ、公式声明としてはそんなところだけれど、本当の理由は何なのだろうと考えてしまう。iOS/OSXでの標準検索エンジンをBingにする動きが出てきたり、DuckDuckGoという新しいムーブメントが出てきたり…ということで、Googleとしてもライバルに対するディスアドバンテージとなり得る部分はスッパリ切っておきたい、それが顔写真やらフォロワー数といった、ユーザの全てが必ずしも必要とするわけではない余分な情報だったということなのだろうか。
とは言え、オーソリティの存在をちらつかせ、検索結果に著者情報を表示させようと啓蒙していたのはGoogle自身なわけで、今回の方針転換に戸惑うという向きも多いだろう。
もう一つ考えられる理由は、Google+プロフィールから顔写真を引っ張ってくるという挙動が、なんだかんだ理由を付けても結局Google+の普及キャンペーンでしかなかったということ。つまり、今回それを廃止したということは、このキャンペーンに効果が無かったということか、もしくはGoogle+自体の近い将来での切り捨てを考えているということではないだろうか。
Google+については、廃止の噂がたびたび挙がっては、公式に否定されるということを繰り返している。
現在BingでもDuckDuckGoでも、検索結果の横にfaviconは表示するようになっているのだが、これにGoogleが今後追随するのかどうかも見物である。
rel="author"で著者情報をGoogle+アカウントと結びつける
Googleの検索結果にズラリと並ぶサイトの内、サイト文章の左側に個人の顔写真が添えられているケースがたびたびあることに気付くだろう。これは特にハウツー系の調べ物をしていると遭遇し易く、また企業の公式サイトなどの場合には滅多に見かけない。
この写真が一体検索結果とどういう関係なのかというと、検索結果ページの著者を表している。
rel="author"というリンクタグ
WEBサイトのhtml文書のうち、本文としてレンダリングされないヘッダ情報は、headタグに囲むことになっている。その中でlinkタグというのは、rel="canonical"など他ページとの関係を明示するタグであるが、rel="author"という情報も持つことができ、そこにGoogle+のプロフィールページアドレスを与えると、Google+アカウントに結びつけられた個人の顔写真が表示されるようになる、というわけである。
rel="author"の注意点とメリット
rel="author"は勿論、検索エンジンとユーザがそのページについて有益で正確な情報を得るために設定されるべきタグであるので、間違った使い方であってはならない。指定されるプロフィールは本当にそのページの著者のものでないといけない。たとえば、会社の社長の顔を売りたいからといって、企業サイト全てのページに社長の顔写真を結びつけるといった使い方は間違いだ。
また、著者の顔がくっきりと分かる写真でないといけない。ゆるキャラが書いたページという設定にして、ゆるキャラの写真を載せるということなどはできない。ゆるキャラの中の人の文章担当の写真を載せるか、もしくはrel="author"を設定しない、というのが正しい対応である。
rel="author"のメリットと言えば、顔写真がついていることによって検索結果の中でのクリック率が上がる。また、顔写真を出すことは信用に繋がるため、文章中で紹介されたリンク、商品などのクリック率が上昇することも期待できる。
Google側としては、著者のオーソリティを元にした順位吟味に役立てることができる。また、明らかに同じ著者の運営するサイトへのリンクジュースのロンダリングを検知することができる(そのため、他サイトへの寄稿から自サイトにリンクを貼る場合には、rel="nofollow"が推奨されている)。この辺りは、ブラックなSEOを信条とするならむしろ著者情報を設定しない方が良いということになるかもしれない。
はてなブログでrel="author"を設定する
はてなブログの場合、Googleアナリティクスの場合やGoogleウェブマスターツール、Bingウェブマスターツールの場合と同じく、設定画面の詳細設定で出てくる入力フィールドにGoogle+プロフィールリンクを指定するだけである。
この方式であると、複数著者によるブログに対応していなかったりするだろうが、個人ブログであれば著者は一人であるので、このフィールドを活用してしまって良いだろう。
iOS8/OSX Yosemite時代を見据えてBingのウェブマスターツールに登録しておく
この間のWWDC2014での重大発表、iOS8とOSX YosemiteのSpotlight検索がこれからはBingがデフォルトになるよということであったので、今まで敬遠していて、かつ無くても全く不便を感じなかったBingのウェブマスターツールを試験的に入れてみた。
ウェブマスターツール、Googleのものが有名だが、BingではGoogleウェブマスターツールのいつまでも直らないバグ仕様、バックリンクの不正確な表示が無いということを耳にしていた。かつてのAlexaのような使い方ができるのなら、両方入れておく動機にもなる。
はてなブログにBingウェブマスターツールを導入する
まず、Microsoftのアカウントに登録しないといけない。ここで3日くらい逡巡したが、仕方が無くメールアドレスを入力し登録する。確認メールが帰ってきて、本文中のリンクを踏むとプロセスが進む。あとは個人情報の入力など。ここまではアカウント登録の方なので、Windows 8で既に登録済みの人ならば、そのアカウントが流用できるだろう。
Bingウェブマスターツールにログインして、サイトを登録する。
サイトを追加すると、管理者の情報についても聞かれる。会社名と役職が必須フィールドになっているのだが、個人が利用することは想定していないのかな?あと、サイトの所有者でなく管理会社であると伝えることもできる。伝えてどうなるのか分からないので、少し怖い。
で、情報を入れ終わるとサイトの所有を確認する方法を選べと言われる。
大体Googleのウェブマスターツールと同じような方法だが、Googleの場合この3つに加えてアナリティクスのコードで確認という方法がある。はてなが推奨するのはオプション2のメタタグ。以前Googleウェブマスターツールを導入した際に紹介した設定画面に、やはりBingウェブマスターツール用のフィールドもある。ここにメタタグのcontent=以下の英数字のみを追加。
画像ではこの下に見切れているフィールド。Googleの説明時の画像を流用したもので。
これで難なく確認完了。トラッキングが始まる。
幾つかGoogleに無い機能もある
まだ入れたばかりなので細かい機能の違いが見えてこないけれども、Bingの場合サイトを診断してSEOアドバイスを表示してくれる。公式ツールでSEOを推奨しているわけだ。Googleもやっていることは同じなのだろうが("HTMLの改善"など)、ツール上でSEOアドバイスと表示しちゃっているところは新鮮。
バックリンク表示については、やはり力を入れている部分であるようで、特定ページへのバックリンクも取得できる。当然ツール上からできるリンクの否認がいくらかスムーズに進むだろう。
あとは、画面の見やすさがGoogleのものより上だ。Windows 8とデザインパラダイムが一緒だろうから、Googleと異なりクライアントに見せてもギョッとされない画面なんじゃないだろうか。
まだ運営する全サイトに導入する勇気は無いが、一応使い方にも慣れておくつもり。
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Safari検索エンジンの選択肢にDuckDuckGoが追加。これからのシェア拡大に期待!
iOS8とOSX Yosemiteの発表されたWWDC2014。合わせて色々なものが発表されたけれど、SEO業界的にはBingがiOSとOSXのSpotlight検索のデフォルトになり、やがてはSafariのデフォルトにもなりそうな所が気になる、といったようなことを前回書いていた。
しかし、うっかり見落としていたのだが、SEO業界的にもう一つ面白いニュースがあったようだ。それは、OSX Yosemite以降のSafariの検索エンジン選択肢として、これまでのGoogle、Yahoo!、Bingに加え、新たにDuckDuckGoという新しめの検索エンジンが加わったということだ。
DuckDuckGoとは
DuckDuckGoというのは、2010年に米国ペンシルバニア州で設立された DuckDuckGo社の検索エンジン。特徴としては、自前のクローラも持つものの、検索結果を50ほどのソース(Yahoo!、Bing、Yandexなどの検索エンジンからWikipediaまで)から寄せ集めて表示するというところ。これはなんということもなく、Perlで書かれているDuckDuckGoのプログラムが、他の検索エンジンや他の情報ソースなどのAPIを使って検索結果をかき集めているということらしい。ちなみにそのプログラムの一部はGithubで公開されていたりする。
DuckDuckGoのアピールポイント
後発の検索エンジンらしく、DuckDuckGoは大胆なアピールポイントを持っている。それは上に挙げたスクリーンショットにも書いてある通り、ユーザの個人情報を蓄積し特定化することをしないということ。Googleなどで検索すると、ユーザによって検索結果がバラバラになっているということに気付くだろうが、これはユーザの以前行った検索や、ユーザの住んでいる地域などを参考にした結果を返すように作られているからである。ユーザにとっては求める情報を探し当て易くなるというメリットがあり、Google側は広告主に対して詳細な広告ターゲティングができることを売りにできるという仕組みである。
ただ、これはユーザの情報をGoogleが蓄積し保持するということであり、その情報を元にしてGoogleは自社の利益誘導を行う可能性があるし、またGoogleほどの企業となってくると、集めた情報を政府機関に提供していないとも限らない。丁度エドワード・スノーデンの暴露により政府機関(と他国から見たアメリカ)への不信が高まったこともあり、個人情報を集めない、全てのユーザに対して同じ結果を返すというDuckDuckGoが検索エンジンの選択肢として急浮上したという形だ。Safariへの採用もそういった潮流を捉えてのものだろう。
DuckDuckGoにSEOは必要?
それでは、これからのSEOを考える際に、Bingと同じようにDuckDuckGoにもSEOというのは必要だろうか?
答えとしては、仕組み上Yahoo!やBingといった他の検索エンジンへの対応がそのままDuckDuckGoのSEOとなるだろうから、今後DuckDuckGoにのみ存在する明らかなペナルティ要因など明らかにならない限りは、あまり考慮しなくてよいのではないかと思われる(ちなみに、他の検索エンジンソースにGoogleは入っていない)。
ただ、検索表示画面を見ると、現状文字情報とサイトのfaviconだけが表示されているようなので、faviconだけは付けておいた方がクリック率は上がるかもしれない。
ちなみに、DuckDuckGoの順位付けについてのヘルプで、"高順位を得るためにはWikipediaのようなクオリティの高いサイトからのリンクを貰うことである"と書いてある。この記述を鵜呑みにするならば、nofollowリンクでもランキング要因にはなりそうである。
DuckDuckGoは今後流行る?
もちろん、Safariの検索エンジンに採用されたからといって、使用者が出なければ全く無視して良い選択肢ということになるだろう。ただ、現状運営しているサイトで既にDuckDuckGoからの流入が出始めている(みんな新しもの好きだ!)。全てユーザ環境がOSXのものからの流入なので、今回のApple社による採用が、ユーザ獲得において一定の効果を与えたということは確かなようである。まあ、Googleのエリック・シュミットは、「"Don't be evil."は愚かなルールであった」と発言しており、もうこのスローガンは要らないみたいなので、本歌取りをしてしまっても良いのではないかな。
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iOS8のSpotlightデフォルト検索エンジンがBingに。日本でもBing SEOを考慮する時期か
Bing SEO、そんなこと急に言われても…という阿鼻叫喚の反応があるかと思ったけれど、あまり話題になっていないようで。
先日行われたApple社の開発者イベント、WWDC2014では、次期iOSであるiOS8、次期OSXであるOSX Yosemite、それから何と言ってもObjective-Cに取って代わるiOS/OSXアプリケーション開発言語、Swiftの発表と盛りだくさんの内容だった。
発表された内容の中で個人的に気になったのは、iOS8とOSX YosemiteにおけるSpotlight検索のデフォルト検索エンジンが、GoogleからMicrosoftのBingへと変更されたということ。この変更により、これまで日本では割合的にほぼ無視して良いとみなされていたBingへのSEOが、一転して重要になるのではないかということで、今後のSEO業界にも大きく影響する発表でなかったかと思うのである。
日本での検索エンジンの現状と海外との比較
SEOについて多少の知識のある人にとっては常識のことであるが、日本の検索エンジンシェアは現状Yahoo! JapanとGoogleで二分しており、そのどちらの検索順位決定アルゴリズムについてもGoogle社のものを使っている。したがって、Googleのアルゴリズムに対してWEBサイトを最適化することで、SEO対策が完結してしまう。
一方、国外に目を転じると、検索エンジン業界が群雄割拠の所もある。Google、Microsoftのお膝元の米国では、Googleシェアが67%に対して、Bingが18%のシェアを獲得している(おそらく、Bingの市場占有率が最も高い国ということになるだろう)。韓国ではNaverが72%、Daumが18%とGoogleはシェアを獲得できていない。中国では、Baiduが62%、360 searchが21%。Googleも中国共産党による検閲を導入するなどして市場に食い込む努力はしているが、上手く入り込めていない。意外な所では、ロシアで62%のシェアを獲得しているのは国内企業のYandexという検索エンジン。
(データはこちらのページの2013年版シェアを参考)
Bing SEOについて、日本ではノウハウが積まれていない
逆に言うと、今挙げた以外の地域ではほとんどGoogleが独占状態になっているということである。しかしながらお膝元の米国では18%のシェアがあるということで、Bing SEOについてもウェブマスターの暇つぶし以上に研究・対策が講じられている。
一方これまで日本のSEO業界の中では、登場してすぐの真新しいタイミング以外ではBing SEOについてあまり顧みられることもなかった。ウェブマスターのうち、全てのサイトにBingウェブマスターツールを導入しているという人の割合も少ないであろう。こうした状況から、Apple社がBing陣営に入ったことで、Bing界隈のニュースも無視できなくなってくる。そして、Googleのアルゴリズムに悩まされ続けたSEO担当者にも、かすかに光明が見えてくるのではないかという気もするのだ。
Google SEOとBing SEOの違い
GoogleとBingの順位決定アルゴリズムの、基本的な部分というのはそれほど違いがない。ページの最適化がランキングにどれほど影響するか調べた調査というものがある。
SEO ranking Factors Bing (vs Google)
これによると、どちらのアルゴリズムにおいても依然バックリンクが重要であるということは変わらない(どちらかというとGoogleの方がバックリンクと内部リンクを重視するようだが、2013年のデータなので、その後のアルゴリズムアップデートも踏まえないといけない)。また、ソーシャルにおける言及にも依然高い価値がある。
となると、アルゴリズムがはじき出す順位とは別に、ペナルティによるアルゴリズム外の評価で差がついてくるのではないかと思われる。GoogleでペナルティとなったものがBingだと生きている、とか、その逆であるとか。どちらか一方のアルゴリズムに極端に最適化した結果、もう片方からの流入がなくなってしまうという結果は避けないといけないだろう。そのために、必然Bingウェブマスターツールの導入や、Bingウェブマスター向けガイドライン等のチェックが必要になる。
Bing向けのSEOも、ゆるやかに導入していきましょう
幸いなことに、今回iOS8とOSX YosemiteでBingが導入されるのはSpotlight検索部分だけとなっており、Safariのデフォルト検索はGoogleのままであるようである。ただし、Apple社がこれをいつまでもあべこべにしたままにしておくとは思えないので、いずれSafariのデフォルト検索エンジンもBingになるだろう(契約上の問題ですぐには外せないという予想もある)。
その猶予期間を使って、BingのSEOについてもしっかり把握しておくべきだろう。さもないと、将来的にスマートフォンからの流入を著しく減らしてしまうということもあり得るだろうから。
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ハミングバードアルゴリズムとは また、このアルゴリズムをどうサイト制作に活かすかについて
Googleのアルゴリズムアップデートとして、パンダアップデート、ペンギンアップデートについては簡単な紹介をどこかに書いた。また、パンダアップデート4.0に付随してロールアウトされたペイデイローンアルゴリズム、こちらについては単体エントリで紹介した。
もう一つ、最近のGoogleの傾向を表すアルゴリズム導入として、ハミングバードアルゴリズムというものが2013年9月頃に導入されているのだが、今回はこのアルゴリズムがどういうものなのかと、またそのアルゴリズムに対応したWEB制作方法などについて考えてみたい。
正確で早い応答のハミングバード
まず、Googleが毎度ひねりにひねってつけるアルゴリズム名の説明。ハミングバードというのはハチドリのことで、このネーミングにはハチドリのような"正確で早い"応答をするという意味が込められている。
ハミングバード導入以前のGoogleでは、検索フィールドに打ち込まれた"acid reflux prescription(酸 逆流 処方箋)"といったクエリに対して、薬剤のwikiの特定薬品ページがヒットしていた。それに対して導入後では、酸が逆流する状況に対する医学的情報を与えるページがヒットするように変化した。これは、クエリを打ち込んだユーザの欲しい結果をより正確に返すようになったと言える。
また、"What’s the closest place to buy the iPhone 5s to my home?(家から一番近くでiPhone5sが買える場所は?)"というクエリがあったとしたら、ユーザの住んでいる地域を推定し、またクエリ中の"place"を販売店であると推定し、結果としてユーザの望む結果(近所の販売店リスト)を返してくれるようになったという。
いずれの例の場合も、これまでのクエリをぶつ切りにした単語で最もキーワードマッチするページを返していたという状況から、よりクエリのコンテクストをふまえた会話型検索への対応が進んだと見て良いだろう。
ハミングバードアルゴリズムに対応したWEB制作とは
ハミングバードアルゴリズムの導入によって、ヒットし易くなったページがあるということは、逆もまたしかり、順位を落とすページもあるということだ。上に挙げた2つの例のうち、後者のユーザ情報を元にした検索については、正直制作者側としても対応のしようが無いのではないかと思う。"buy iphone 5s"といったキーワードで上位表示されていたページは、"closest my home"などのキーワードが付着したクエリの数だけ表示回数を減らすだろう。ただ、このような会話型クエリがユーザ情報を元にしたより適切な結果を返すということは、それほど周知がされていないであろうから、Siriなどのパーソナルアシスタントからの検索を除いては影響はあまり無いのではと思われる。つまり、気にしなくて良いレベルだ。
一方、前者の検索例については、考慮してSEO内部対策に反映させる余地もありそうだ。どのように、となると難しいのだが、WEBサイトが検索結果上位に表示されたクエリの内、自然文に近いものをピックアップしていき、何故そのクエリで上位表示がされたのか分析していくといった形で行うことができるだろう。
会話型クエリの多くは5W1Hですよね?
ここからは、完全に独自研究の範疇なので、参考程度に。個人的な分析結果としては、たとえば何か特定の物事についての記事を書く際に、同ページにその物事についての5W1Hを情報として置いておくことで、会話型クエリでの流入を多く得ることが出来ているような気がする。5W1Hについては、当然HTMLタグを使って地の文の情報との差別化を行う。たとえば、イベントを紹介するページにおいて、"このイベントは○月×日にありますよ〜"と地の文に情報を入れるよりは、hタグなどで"開催日時"として差別化、その後のpで"○月×日"という情報を入れるなどする。このようにすると、"イベントはいつありますか?"といったようなクエリ、"イベント 日時"といったクエリ、さらにはイベント当日の、"今日 イベント"といったクエリでヒットする可能性がでるのではないかと予測できる。
会話型クエリの全部がこのように5W1Hを求めるものではないかもしれないが、検索エンジンに対して世間話を持ちかけるユーザよりは、何か疑問を打ち込むユーザの方が多いであろうと思われるので、こうしたページ作りが有効になるのだろう。